つれづれなる日記 @ maoo.jp

退屈な日々をより退屈な文章でだらだらと

カルボナーラみたいな

 「料理は化学である」といった意見があるが、おそらくそれは正しい。かなり単純そうな調理においても化学変化というものが伴っていたりするわけで、きちんとその理論を知っていることは上手な調理をする上で有利である。また、同じ材料を同じ条件で同じく調理すれば同じものがいつも完成するはずであって、(人間のすることなので限度はあるだろうが)偶然というものもないわけである。実に化学的だ。
 しかし、なんとなく調理してみたら思ったよりずっといい感じに完成した、という快感を感じるのが人間というものなのであった。それが数多くの失敗や悲劇を発生させているかもしれない可能性についてはひとまず忘れて、本日は成功したという事実を素直に喜びたいと思う。それは、カルボナーラみたいなものなのであった。あくまで「みたいな」というレベルであって、たぶん別物になったとは思うのだが、自分には判断できない。
 なぜなら自分は、カルボナーラ(のパスタとか)を食べた経験がほぼ皆無なのだ。外食はまずしないからプロのその料理を食べた記憶はないように思え、昔に実家で住んでいた時の食事はわりと和食が中心だったこともありやはり食べたことがないと思う。だから、テレビ番組などで完成品を見たことがあるという記憶と、それからWWWサイトから得た材料と調理についての情報、この程度でやってみたわけだ。まあ、加熱と味付けに失敗しなければ食えないものにはならないだろうと。
 そうしたら、なんかすごくおいしいものが完成したのだ。期待以上に。予想外に。材料だってけっこう違う部分があったし、調理法なんてちょっと参考にしてみた程度であるのだが。こんなこともあるんだねえ、と、しみじみ感動してしまったわけだった。料理には化学より直感と偶然かも、などとちょっとだけ考えてしまった自分には、学校で化学を専門に学んでいたという過去があったり。なんか堕落しすぎで駄目かもしれない。