つれづれなる日記 @ maoo.jp

退屈な日々をより退屈な文章でだらだらと

間違ったシンプルさ

関連
http://d.hatena.ne.jp/maoo/20100731/1280586750
参考
http://d.hatena.ne.jp/maoo/20100412/1271087459

 "Safari 5"*1をインストールしたわけなのだった。自分にとっては利用しているWWWブラウザのうちの一つでしかなく、しかもそれほど重要な方面での役割を担当させていないから、メジャーバージョンアップとはいえそろそろ導入しても危険はそれほどなかろうと判断したもので。新しい機能なりに特に魅力を感じていたとかでもないが、セキュリティのことも考慮すれば古いものをいつまでも利用はできないわけだし。
 実際に利用してみたところ、これは失敗だったとすぐにはっきりと気づくことになったが。残念なことに。どうなったかというと、LANとWANでの通信がほぼ麻痺するような事態を発生させてしまったわけであり。閲覧しているWebページだけについてではなく、このブラウザだけについてでもなく、実行しているコンピューターだけについてでもなく、そのセグメントに属するコンピューター全部に悪影響があるようなことになってしまった。
 状況を端的に述べると、ブラウジング時における通信の挙動をルーターが攻撃と判定しブロックしてしまうことになった。このソフトウェアはもともと並行し多重で通信する傾向が強いように感じており、バージョンアップの前でも状況によっては似たような事態になっていた。しかし今までなら、対象となるのは閲覧する対象のWWWサーバーといったところで影響範囲が小だったし、発生頻度もなんとか我慢できる程度だったのだ。
 では新バージョンではどうなったのか。DNSサーバーに対して短時間で多数のアクセスをする傾向がさらに強まったようで、それは「DNSプリフェッチ」なる機能に影響されリクエストが急増したことに原因があるように思われるわけだが、ともかくその通信がルーターでブロック対象になってしまう事態を発生させたのだ。結果として、DNSサーバーへの(LAN側からWAN側への)通信が全面的に阻害される結果になってしまった。
 こうなると、DNSを用いた名前解決が*2全滅してしまうため、結果的に外部への通信が各コンピューターで*3ほとんど不能という状態になってしまったわけだ。ルーターは数分の後には自動的にブロックを解除させるのだが、このブラウザでどこかのWWWサイトにアクセスしようものならあっさり再発する。このルーター*4この方面で敏感な反応をする傾向はあるのだが、問題はそこじゃない。他のブラウザではそう問題はないわけだし。
 思うに、このソフトウェアは(DNSに対してもHTTPでも)同時接続数の設定が大でありすぎだ。ブラウジング速度向上のためには有効だという判断なのかもしれないが、環境によっては逆効果であったり悪影響がある場合も考えられる。さらに問題なのは、その挙動についてユーザーが調節する手段が用意されていないことだ。この企業は*5シンプルさを目指すのが好きな傾向があると思うが、必要最低限に達していないこととそれは明確に違う。
 ま、けっきょくはルーター側で設定を調整してむりやり解決させたわけだが。もはやこのブラウザは「邪悪」と自分の中で判定を下した。

*1:参考 Safari - Apple(日本)

*2:参考 名前解決 - Wikipedia

*3:同じDNSサーバーを利用しているコンピューターのみなんだが、エントリはみんな共通にしてあるから、けっきょくは全部なんだよね。

*4:今となってはちょっと古めではあるが、一般的であるし、かなりよく売れているはずの(まだ販売している)製品だ。

*5:参考 Apple(日本)