つれづれなる日記 @ maoo.jp

退屈な日々をより退屈な文章でだらだらと

親切は人の為ならず?

 「またかい」とか思ったのだが

本名や現在地の位置情報といった個人情報が意図せず公開されてしまうとネットで騒ぎになっている

「Google Buzz」で本名や居場所がばれる? ネットで騒動に - ITmedia NEWS

なんてことだとか。この機能については自分も利用できる環境であったし、設定画面などについては早期にある程度の部分について確認してあったのだが、(表示される説明も含めて)それほどわかりにくいものであるとも思わなかったし、きっちりと設定すればそれで大丈夫だろうと感じる*1。「意図せず」というよりも「注意不足により」と表現すべき件ではないのだろうか?
 似たようなことがあった際にユーザーの意見が調査された結果では

流出は「デフォルト設定に問題あり」とする意見が最多だったが

Googleマップ情報流出は「デフォルト設定が原因」44%、「自己責任」も37% - ITmedia NEWS

ということなのだが、そういう主張をするのはちょっと恥ずかしいことであると考えるべきなんじゃないのか。これって、デフォルト(Default/初期値)設定がどうなっているかをよく確認もせずにそのまま運用してしまったという、つまりは自身の不注意さによるうかつな行動とその結果を証明しているだけなのではないか。デフォルトは無条件に信用して大丈夫なものだとでも思ってるのか?
 デフォルトの値というのは「最初に設定・適用されている値」というだけのものであり、その値が推奨される内容である必要はなく、安全を考慮した内容である義務すらもないものだ。とはいえ、必要がなく義務でもないとしても、配慮やら親切により結果的にはそんなにとんでもないことにはなっていない場合が多いとは思うのだが。しかしそれでもけっきょくのところ、変更できるものであるという時点で設定値の内容については利用者に責任があると考えるほうが妥当というものであろう。
 もちろん、設定を変更できるということすらわかりにくいとか機構に不備があるとか、変更するための手順が複雑すぎてほとんどのユーザーはくじけてしまうとか、そんな状況があればシステム提供側の不備であるという声にも説得力がある。しかし、「最初がそうなっていたから(自分の望まない挙動となった)」というのはいいわけとして通用するものとは思えない。「だったら(自分の望む挙動になるように)設定を変更すればいい」あるいは「いやなら利用を中止しましょう」となるだけだ。
 とはいえ、世のサービスなりというものではそこまで毅然たる態度にはならない場合が多いようで。まあ不満が多ければ対応されたりすることもあるし、そして世の中はどんどんフールプルーフ的な*2思考で冗長さが増し複雑怪奇なことになってくるのだろう。それがまた別のわかりにくさを発生させたり、なにも考えない人が油断し安心しますますだめになる原因になったりするのでは。とりあえず自分に被害がなければなんでもいいんだが、少なくとも不愉快さを感じることは日々多くなってきているような。
 ところで、「親切」は人を堕落させるのにすごく便利であって実はけっこうこわいものである…などと考えたことはないだろうか。それは一種の美徳ではあるのだろうが、それを徳とできるかどうかは当人によりけりだ。実際もうすでに、かってに親切をあてにしておいて「自分の望む結果にならなかった」と文句を言うような人々が発生してきている。たぶんそれまでいろいろとさんざん甘やかされて、つごうのいい親切が自動的に自分の前に運ばれてきて当然だと信じてるんじゃないのかね。

*1:自分が確認したのはその関係で改善された後の環境であった…なんてことであれば、もちろん話が違ってくるのだが。

*2:参考 安全工学 - Wikipedia