つれづれなる日記 @ maoo.jp

退屈な日々をより退屈な文章でだらだらと

あやしい辞書は嫌いだ

参考
http://d.hatena.ne.jp/maoo/20090914/1252975138

 すでにけっこうな話題となっているようであるが、Googleさんから*1

Google 日本語入力は、変換の煩わしさを感じさせない思いどおりの日本語入力を提供します。

Google 日本語入力 – Google

日本語入力のためのFEP*2・IM*3IME*4なんてジャンルのソフトウェアが発表されているわけだった。企業のネームバリューを考えても無料であることを考えても、話題とならないほうがよほど不思議ではある。
 これはまだベータバージョンではあるものの、Googleさんのいつものパターンから考えれば、(公開された最初のバージョンであることにはそこそこ不安があるものの)それなりの品質が確保されていると考えてもいいのではないかと思う。大喜びでインストールしてみる人々もきっと多いことだろう。さて、ここのマシン環境などを考えてみれば、ありがたいことに利用させていただくことが可能ではあるわけで、すぐにではなくとも導入してみようかな…とか考えないでもない。
 しかし、自分ならば、これはせいぜい補助のものとして利用させていただく程度であろうと考えている。いろいろと魅力的に感じる機能もあるように思えるのだが、ただ一つの理由によりメインで利用したくはないと思えてしまうのだ。すなわち、辞書が

Webから自動で辞書を生成

Googleが日本語入力システム参入 β版無料公開 - ITmedia NEWS

単語の辞書は、Webから機械的・自動的に生成することで

グーグル、日本語入力ソフト「Google日本語入力」を公開 -INTERNET Watch Watch

単語辞書はWebから自動的に生成しており

画像で見る「Google日本語入力」ベータ版 - INTERNET Watch Watch

「Webから生成される」ということであり、つまりは世の人々がWWWで書いた言葉によって辞書が構成されるという点である。正直、それはすごくいやだ。遠慮したい。多くの人が書いた言葉だから正しいあるいは利用していいものである…なんてことはないんだもの。
 べつに自分は昔ながらの清く正しい日本語を推進したいとは思っていないが、それでも文章を書く上でのそれなりのポリシーなんてものがあったりする(基本的にそれを他人に強制しないことは*5当然として)。だから、たとえば略語・隠語・通用範囲が大きくなさそうな用語などを多用するような文章には、自分はかなり神経質になる。例として、「誰が読むかわからないこういう場で」「自分が書く」場合ということであれば、結果としてそれが長ったらしい文章になる原因になるとしても、そういうものをできるだけ排除する傾向がある*6
 そんな自分としては、誤った変換や入力を助長するような辞書というのは遠慮したい*7。「変換できない」ことを「正しい言葉でない」という一つの判断基準あるいは指標みたいに利用していることもあって、「変換できる確率が高い(登録されている言葉の数が多い)」ことが「変換効率がいい」とイコールだとは感じない。また、言葉の専門家とかそういう人が関わっているであろう変換辞書というものにそれなりの信頼を感じているし、一方で、不特定多数の人々の文章から機械的に生成された辞書というものはちょっと信用できない。
 つまり、件のソフトウェアは、自分には不向きである辞書を搭載しているものである雰囲気が強いように感じるということだ。いつも少数派に属する可能性が高い自分であるから、たぶん世の中にはこういう辞書こそを歓迎する人のほうが多いのだろうな。まあ他人のことはどうでもいい*8。自分としては、これで市販の"ATOK"*9*10ソフトウェアあたりが対抗して無料になってくれる可能性とか、無理してそんなことをしたジャストシステムな企業が*11(失礼ながら)倒産する危険性とか、そっちのほうがよほど気になるのであった。

*1:参考 Google

*2:参考 FEP - Wikipedia

*3:参考 インプットメソッド - Wikipedia

*4:参考 インプット メソッド エディタ - Wikipedia

*5:ただし、たとえば自分に送信されてくる文章が意味不明な言葉であった場合には、怒ったりすることもある。言葉でなにかを表現する際には、それがなにかを伝えることを目的としていることを考えれば、伝わるように努力をするのが正しいと思うからね。

*6:一方、たとえば特定の相手にe-mailを送信する場合などであれば、相手が理解できるだろう言葉の範囲は想定できる場合も多いわけだから、その判断に基づいて、わりと正しくない日本語であると知りつつそれを用いて書くということもあるのだけれど。

*7:これは以前にも書いた点だが、間違うそもそもの責任が自分にあることは理解している。だが、できるだけそうならないようにソフトウェアで配慮されているのが親切というものだろうし、その逆のパターンのものについては接触したくない。

*8:もちろん、自分が変な文章を読まされる立場になれば、そこでかなり怒るだろうが。

*9:参考 ATOK.com | ジャストシステム

*10:これは前にも書いたことがあるだろうか? 自分は商標名・製品名・企業名などのあとに「〜な」と続ける書き方を多用する癖がある。日本語として正しくない文法であることはわかっているのだが、はっきりとした名前を書きつつもなんとなくぼかしておいたほうがいいような気もしないでもない…みたいな気持ちの関係で、だらだらとこんな書き方を続けていたりするわけだった。

*11:参考 JustSystems | ジャストシステム