問題は食の質ではないような
どうやらこんにゃくゼリーの…というよりマンナンライフな会社の受難は続くようで*1
こんにゃくゼリーをのどに詰まらせ窒息死したのは製品安全性を欠いていたためとして
http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009030401000304.html
…
2900万円の損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に起こした。
とか
1歳の男児がこんにゃくゼリーをのどに詰まらせ死亡したのは製造元の「マンナンライフ」(群馬県富岡市)に過失があったためとして
http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009030301000640.html
…
同社と代表取締役2人に計約6200万円の損害賠償を求め
なんてことになっている。かなり真剣にばかばかしいとか思った。いや、提訴できる権利は誰にでもあるんだが、それにしても…。
この訴えた人たちってのは、自分たちの責任とか自分たちの頭の程度というものについて、いったいどんなふうに考えているものなのかが不思議だ。たとえば
2005年8月、女性はゼリーをのどに詰まらせ、呼吸不全で死亡。女性は脳出血による半身まひだったため、長女が容器を開けて食べさせたという。
http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009030401000304.html
…
一口で口に吸い込む容器構造だったため
半身まひがある状態の人にこれを食べさせようと考え「一口で口に吸い込む」ようなスタイルで実際に食べさせた人ってのがそもそもどうかと思えるのだが。そして
男児は1歳9カ月だった昨年7月、兵庫県内の祖父母宅で同社製の「蒟蒻畑マンゴー味」を半解凍状態で食べようとしてのどに詰まらせ9月に死亡した。
http://www.47news.jp/CN/200903/CN2009030301000640.html
この件では望んで子供が半分凍ったものを自主的に食べたということではなく、祖母だかが食べさせたってことだったと記憶しているんだけどな。子供の年齢を考えてみれば、少なくとも大人が食べさせた可能性はかなり高いように思えるし。で、もしそうならば
ゼリーの形状などに欠陥があったとして
http://www.47news.jp/news/2009/03/post_20090304101339.html
両親の代理人は「欠陥がある商品を販売した責任は重い」と、会社の姿勢を厳しく指摘した。
http://www.47news.jp/news/2009/03/post_20090304121317.html
食品の欠陥より食べさせた人間の欠陥を先に厳しく指摘するのが正しいと思う。さらに、周囲には大人が複数いたらしいが、半分凍ったもの(こんにゃくゼリーであろうとなかろうと危険だよなあ)を食べようとしている子供をどうして放置していたか疑問だし、そういう行為に重い責任はないのか。これでメーカーを非難して提訴するって、どういう思考の人々なんだろうかね。
こんにゃくゼリー自体がのどにつまる危険性があるという点についてはそうだろうが、その点だけに着目して非難するのはフェアではない。お餅に類するものなど、さらに危険なものなんていろいろあるわけだし。そして、こんにゃくゼリーについてはかなり以前からパッケージにいろいろ警告が書かれていたと思う。もっと派手に危険性を表記することはできるだろうが、頭が不自由な人が相手だとどうしたって無駄だろうし*2。
なんだかなあ、これは米国みたいに日本も訴訟大国になってきたことを示している、みたいなことではなくて、どんどんアレな人々が増加してきたということとしか思えないんだよな。自分も立派な人間ではないのであまり大きな声で発言はできないが、身の回りでもどうかと思えるような人に遭遇する確率が確実に増加してきていると思う。たぶんこれからもっともっとひどくなっていくんだろうなあ。
たとえば、子供が誰かに迷惑をかけたりした場合に、迷惑した側がその子供なり親なり保護者なりを気づかって「子供のしたことですから(だからそんなにお気になさらず)」と発言するのは美徳であるかもしれないが*3、迷惑をかけた側が「子供のしたことですから(だから許してくれるのが当然でしょ)」と発言するのはいろいろな意味で激しく間違っていると思う。しかし現在はもう、こういう大間違いな人々がかなり大量に存在しているからなあ*4。
問題にすべきなのは食の質ではなく人の質ではないのか。今回のようなおかしい主張が認められてしまうようになってくると、社会としてはどうかと思われるような状況になっちゃうと思うんだけどね。無茶だろうがなんだろうが主張を大声で叫ぶのがお得になるなんて現実になってしまえば、気をつけてまじめに生きるとかってことがあまりにばかばかしくなるじゃない。みんながそんなふうに考えだしたら、もうだめでしょ。